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私は択ばれた神の子です。
神は私を愛してくださいました。
幾多の試練を与え、幾多の許しを与えてくださった。
時に神は厳しく私を責め立てて。
私はその責めに涙を見せず耐えぬいて。
私は、神の子です。
彼に択ばれたのです。
神は私に言いました。
お前を永遠に愛してる。
その言葉に私は安堵の涙が流れたのです。
私も誰かに愛されていた。
神は私に言いました。
どれほどの罪を重ねようと、お前の心は白無垢よりも純白なことは私が知っている。
そう言って神は私を抱き締めて。
だけれども。
私は多大な罪を犯してしまいました。
許されてはいけない罪。
神を裏切ったのです。
愛し愛されていた神を。
裏切ってしまったのです。
ああ、神よ、お許しを。
ユルサナイ、オマエハワタシヲ、ウラギッタ。
赤く赤く燃える炎は怒りの炎。
だけれども。触れれば何よりも冷たくて。
ナゼダ?! ワタシハオマエヲアイシタノニ!!
オマエハワタシヲ、アイスコトガデキナクナッタノカ?!
神の声。
父親に怒鳴られてる感覚を思い出す。
ああ。
私は神の子。
身体の契りを。
交わした私たち。
愛し合うことはこれしかない。
私は神の子なのです。
そして、その神に抱かれたのです、
でも、違う人に恋をして、愛をして。
神を裏切ってしまったのです。
あぁ、お許しを。
お許しを。
私が愛したのは、あなたおひとり……。
ウソヲイウナ!
神の怒りは、空を泣かせるほどの。 海を荒々しくさせるほどの。
勢いで。
だから、私は誓いました。
私は神の子です、あなたの子です。でも、あなたと私は禁忌を犯した。そして、いつか責め苦を受けなければならない。
神、私を許さなくてもかまいません。
でも、これだけは信じてください。
神よ、私は誰よりも何よりも。
あなたを愛していました。
最初で最後のあなたがくだした私への罰は
神の子をやめ、堕天使に生まれ変わることでしょう。
後悔はしません。
神が私を本気で愛している、そのことだけを心にとめて。
私はあなたに罰せられることだけを思いながら。
あなたが迎えに来てくれるまで暫し、安息をいただきます。
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