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嫌なことが落ち込んでた。 別に死にたくなるほどのものではないけれど。 でも、それなりに落ち込んでいて。 なんもかんも、いやになりそうで。 そんなとき。 好きな娘から電話がきた。 声が弾んで。 元気、出た。 用事は、大したことがなくて。 話の半分以上は無駄話。 今日、なにしてた? とか、今度いつ、あう? とか。 気付けば、三十分以上喋っていて。 でも、時間を忘れていた。 あの娘から、またね、と、言われるまで話していた。 なんでだろう? あの娘の声を聞くたびに、ころっと上機嫌に変わる。 単純だろう? 好きなんだ、僕、あの娘の声。 笑ってる姿が頭に浮かんで。 声を聞くだけで一緒にいるような錯覚に陥る。 あれ? おかしいな。 なんか、さっきのことどうでもよくなっちゃった。
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