月の光

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優しい嘘にだまされたあの頃のわたし。 でも、あなたのその瞳は月の光よりも優しかった。 あいしてる、なんて。 言葉だけの契りだけ。 手を伸ばし、救ってくれたなら。 わたしはきっと楽になれたのに。 この堕ちた世界に、わたしはまた、落とされて。 離れた理由を教えてよ。 その甘い言葉を使って。 わたしが眠れるまで。 ここにいてください。 わたしから、ハナレナイで。 冷たい鎖につながれて動けないわたしを。 離れない、そう言って私のソバにいてください。 涙が枯れるまで。 月の光がわたしを刺して。 あなたの幻影、創りだす。 導かれたその先に答えなどないこと知りながら。 倒れそうになってもあなたは助けてくれない。 もっと、もっと、もっと。 幻影よ、わたしのそばに。 悲しい夢のなかに必ずあなたはいる。 それは、紛うことなき真実。 だから、また、夢を見る。 悲しい夢を。
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