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伊織を昴に紹介し、今ではすっかり親友とまで呼べる仲になった二人を微笑ましく思う。
見た目通り軟派な伊織に対し、難攻不落とまで言われてる硬派な昴。
正反対な性格だからこそ親しくなれたのかもしれない。
人は自分にないものを持っている者に惹かれる生き物だから。
私達3人はこの学校で青春の一ページとなる思い出を築きたい。
そんな思いから作られたのが【イベントプロジェクト】略して【イベプロ】。
名目上は学校行事(例えば文化祭や体育祭)の援助だけど、実質それ以外は名ばかり。
でも一つの部活として認めて貰うにはそんな建前が学校側としてもどうしても必要だった。
学校行事以外の部活内容と言えば専ら部室でトランプやボードゲームなどもはや帰宅部に近い。
「もぉさあ【トラン部】でよくなぁい?」と笑って言う伊織に「絶対嫌だ」と真顔で答えたのが昴だ。うん私も昴に一票。なんてセンスのない……
「それで佳乃? 伊織の罰ゲームはなににするの?」
「変なのやめてね? 俺こう見えてシャイなのよね」
「敗者は黙ってくれる?」
昴は意外と毒舌。特に気を許した相手には。
実は勝負する前から罰ゲーム内容を決めて、その道具を持ち込んでいた。
勝敗は分かんないけど何事も「もしも」を考えなくちゃね。
私達は単純にゲームするのはあまりにも退屈なので、毎回ビリは一番に上がった人の言うことをきくというオプションを設けている。
ただ、一人が上がって一対一の勝負は見てる此方もつまらないから残った枚数で二位と最下位を決めることにしてる。
ないとは思うけど万に一つ同数だった場合はポーカーと一緒でカードの質を見る。
私は入り口付近に置いてある鞄のファスナーを開けて中からとあるものを取り出した。
「カラーコンタクト……?」
昴は不思議そうに首を傾げる。
伊織も似たような反応だった。
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