28人が本棚に入れています
本棚に追加
私こと鈴宮佳乃(すずみやかの)と昴と伊織は放課後部室にて『ダウト』をしていた。
部員は私達3人。春夏秋冬(ひととせ)高校は最低でも5人集まらなければ部として認めて貰えないのだが、私の家が莫大な寄付金を納めているために誰も文句は言えないのだ。
そんなものがなくても昴と伊織目当てで入部希望者が後を絶たないのだけど、彼ら二人は異様に嫌がるのだ。
別に昴達が排他的な思考とかではない。普通に休み時間私達以外の者とつるんでいるところを多々見掛ける。
理由を尋ねたところ伊織が「俺だって常にハーレムを築いていたいわけじゃないのぉ」となんともまあ贅沢なことをおっしゃった。
なんでその時ICレコーダー持ってなかった私。校内放送かけたらたちまちダメンズから総スカンを受けただろうに。チッ!
でも確かに親友と友人と恋人は各々別枠かもしれない。
私達は2年に進級してから見事にクラスがバラバラになった。いや昴とは1年時もクラスが違かったけど。
吉永の「よ」と鈴宮の「す」では席が大分離れていたけど、私は吉永伊織という人間に興味を抱き出した。
と言うのも伊織は入学して1週間も経たないうちに学校内の有名人になった。それは伊織の顔の良さもあるがなによりも無類の女好きなのだ。
毎日毎日レベルの高い女を周りに侍らせては日替わりで女と遊んでいるそうな。あながち噂でもないのは一回そういう場面に出会してしまったから。
いくら放課後人がいないとは言え、体育館裏倉庫でちちくり合ってるのはいかがなものだろう。
最初のコメントを投稿しよう!