チョコレイトデイズ

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チョコレイトデイズ

 滴り落ちそうなミルク色の素肌に纏わりつく、私の髪は鳥の濡れ羽色です。私を愛してやまない幼なじみの少年は、ベルベットのように艶やかで、シルクのように滑らかな指触りにうっとりしています。  彼は無垢な白いソファに寝そべる私の髪を弄び、口の中に入れ、それにも飽きると私のうなじの生え際に唇を押しつけ、抑えても洩れる微かな吐息と声に一喜一憂していました。  見つめればラピスラズリの青の眩惑――しかし私の視線は磨かれたテーブルの上にあります。  華奢な取っ手のティーカップが二つに、山盛りのお茶請けのスコーンと、籠に盛られた色とりどりのフルーツ、それに読みかけの小説。その間に栞のように挟まる、鮮やかな深紅の薔薇一輪。  うつらうつら眠っている隙に、幼なじみの少年が挟んでくれたのでしょうか?  答えを訊こうと唇を開くと、すぐに封じられました。  臆病と過信が交互に手を引いたとしても、青い果実のような恋する少年は衝動の奴隷なのです。  服と下着は床に落ち、白い裸身が暴かれます。私という存在のそこにあそこに、彼の手と舌がやってきました。抵抗むなしく、掻き立てられ、沸騰するこの肢体は、もはや甘くほどけてゆくことしか出来ません。  私は彼の熱で柔らかくとろけるチョコレートになりました。
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