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あの乳白色の雲は
私の白い肌
あのラピスブルーの空は
私の青い瞳
紫と橙の雲が千切れれば
世界はマーブル模様に染まり
薔薇色の夕陽のドレスは赤く
私の髪と同じ色の夜はもうす
ぐ――
私を追いかけてガラスの蜘蛛は窓から落下し、粉々に砕けて動かなくなりました。
声を追いかけた私は星を一周し、薔薇も尽きて地面に墜ちました。
――そうして再び出逢ったガラスの破片と薔薇の花びらは美しく寄り添い、産まれ落ちた子どもの眼にもそれは“アイ”と知れるのです。
当然、口づけは薔薇の香りがするものですが、時々はガラスの味も混じるでしょう。
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