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「美鈴……とっととここから出るぞ」
「えっ」
俺は美鈴の手を取って人混みをすり抜けバルーンドームから出た。
そして美鈴の手をひいたまま遊園地の出口へと向かって走る。
「ちょ、ちょっと悠くん!?」
美鈴は訳が分からないようだが、とりあえず今はここから出るのが先決だ。
質問には答えない。
しばらく走り俺達は遊園地の入り口のゲートを通り抜け、外に出た。
そこでやっと俺達は立ち止まる。
俺はもっと走れたのだが、美鈴が息を切らしていたから仕方がない。
彼女の体力を考えると、休憩しておいたほうがいいだろう。
美鈴が呼吸も落ち着かないままに俺に質問してきた。
「はあ、はあっ、な、なんで急に、走り出したの……?」
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