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旅の始まり
明彦「今日は月が綺麗だな。」
桜の花びらが舞う広い神社の庭の中、一人の神子服をきた少年が木刀を持ち携えながら、静かに月を眺めていた。
明彦「はぁ、なんでこんな日まで妖怪退治なんてやんなきゃいけないんだよ。」
良く周りを見ると様々な妖怪がたくさんいた。
化け狐「今日こそ勝たせてもらうよ!」
明彦「はいはい、好きにしろ。」
ガシャドクロ「今のところ0勝100敗だが」
一つ目小僧「今日こそ勝って」
ろくろっ首「みせるよ!!」
妖怪達「おおー!!」
明彦「まったく、勝って一体何をしようとしているんだ?」
化け狐「そりゃあ、あんたをあっちのお婿さんに…」
明彦「ならない。」
ガシャドクロ「俺の骨の一部に…」
明彦「ならん。」
一つ目小僧「おいらの弟分に…」
明彦「まず、自分の身長を鏡で見てから言え。」
ろくろっ首「私の旦那さんに…」
明彦「それ被ってるだろ!!」
化け狐「皆行くよ、今日こそ勝つんだ!!」
妖怪達「おおー!!」
妖怪達は一斉に明彦に襲いかかってきた。
明彦「はぁ、いくら多くても弱いんじゃ話にならないな。」
スッ
明彦はそう言うと木刀を妖怪達に向け、静かに深呼吸をした。
明彦「舞い散れ、桜花一文字!!」
明彦の木刀の周りに桜の花びらが集まり、それを横薙ぎに振ると桜吹雪となって妖怪達を襲った。
妖怪達「痛ッ!!痛い痛い!!止めて、降参するからー!!」
そう言って妖怪達は神社から一目散に逃げていった。
明彦「はぁ、本当に面倒だよ、あの連中。で、あんたはどうするんだ、百鬼夜行のボスのぬらりひょん?」
明彦がそう呟くと横の方に気配を消していた小学生の男の子みたいな妖怪が姿を表した。
ぬらりひょん「俺はいいよ。元々俺は人と仲良くするタイプの妖怪だからさ。あいつらも本当は人間と仲良くしたいんだよ。それをわかってはくれないかな?」
明彦「だけど毎日はさすがに止めてくれないかな?面倒なんだけど。」
ぬらりひょん「ニートやってるお前が言うか?」
明彦「ニートで何が悪い!!」
ぬらりひょん「いや、悪いだろ。ニートは。」
明彦「自宅警備というれっきとした仕事だろうが!!」
ぬらりひょん「それは仕事とは言わないんじゃ無いかな。それより、なんか聞こえない?」
明彦「え?」
耳を澄ましてみると確かに何処かからか声が聞こえてくる。
「……いてく……」
明彦「いてく?」
アザゼル「どいてくれー!!」
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