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「あっ……」
ドアが開いた直後、私の口から小さな声が漏れた。
出てきたのは純ではなかったから。
ドアを開けたのは純の夫、弘文(ひろふみ)。
私たち三人が弘文と会うのは、純の結婚式以来で四年ぶりだ。
弘文は何事かという顔で、私たちを見つめている。
私たちは恐縮したように頭を下げながら、志保子が切り出した。
「お久しぶりです。夜遅くにすみません。……純はいますか?」
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