夏実(なつみ)の悩み

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蒸し暑い夜だった。 完全に日が沈んでも、外気には日中の余熱が残っている。 私は汗ばむ首筋にハンカチを当てながら、店内に入った。 高校時代の同級生、直哉(なおや)が経営しているイタリアンレストラン。 都心から少し離れた調布市、一駅先は世田谷区という立地にある。 この店には何度も来ていた。 高校時代の女友達と月に一回、この店で会うことが恒例になっているから。 メンバーは私を含めて、女性四人。
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