レオンが落ちた日

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その日、8時間にも及ぶ皮膚の移植手術を終えた28歳の女医である蠣来香(ハオライシャン)は、疲れた身体を癒す為に1人海の見渡せる丘に来ていた。彼女は皮膚移植の天才ドクターで、普段の不摂生な生活からは想像もできない程、手術の腕は確かである。彼女を頼って来る患者は後を絶たない。 しかし、そんな彼女も、手術の後は張り詰めた緊張の糸がプツリと切れてしまうのだ。ホッとした安堵感が彼女を海の見渡せる丘に誘うのだ。 彼女は普段は来先生(らいせんせい)と呼ばれている。でも、海を見渡す彼女は生きている心地を身体全体で受けて、疲れを癒している。
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