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恋は、綺麗事なんかじゃない。
心の底から、そう思う。
あなたが欲しいって思った。
奪ってでも、欲しいって思った。
私を見て。
名前を呼んで。
その手で触れて、
何もかもあなたで満たして欲しいって、
そう、思った。
私は、自分ばっかりだ。
あなたの全てを、髪の毛の一筋までも自分のものにできたら……、なんて。
なんて、強欲で、自分勝手で、ワガママで…。
恋は、キレイなものなんかじゃない。
私の恋は、綺麗事なんかじゃない。
だから、蓋をした。私のドロドロした感情が、あなたを覆い尽くしてしまわないように。
あなたの笑顔は、私を救ってくれたから。私の恋は、あなたを傷つけるだけだから。
偽善なんかじゃない。あなたが欲しい。どんなことをしても、あなたを手に入れたいって思う。
でもね、そうやって手にいれたあなたは、もう、あなたの形をしていないんじゃないかって、そう思うんだ。
だから、蓋をした。私のドロドロが溢れだして、あなたを汚してしまわないように。
泡になれたらいいのに。
私のドロドロも、にんぎょひめみたいにキレイな泡になれたら………。
そうしたら、笑えるのかな。あなたの前で、何もなかったみたいに。
恋は綺麗事なんかじゃない。
だからこそ、蓋をしよう。
キレイなあなたを汚してしまわないように。
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