咲良-さくら-

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その日は、楓に家まで送ってもらった。 私の家はいつものごとく真っ暗で、楓は少し驚いたような顔をした。彼は何も言わず私の頭をポンッとたたいた。 「ありがとーございました。 また明日ね。楓先生。」 楓は軽く微笑んだ。 「じゃあね。また明日。」 楓は何も言わなかった。遅くまでふらふら出歩くなとか、親はまだ帰ってないの?とか…。教師として突っ込むべきところは沢山あったのだと思うけど、「じゃあね。」とだけ言って帰っていった。 それは、何だかひどく暖かい行為のように感じて、心がホッコリとした。
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