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自身は、まだまだ成長できると思いながらも、その伸び代は小さく成長速度も遅くなっている。
限界が、見えてしまったようだ。
その為、不死城が築城され折原 洋輔との戦いが始まる頃。側近でありながらも、使いっ走りのように扱われ。雪女には、側近の座さえ軽んじて見られた。
せめてその地位にだけは、しがみ付いていたい。
『雪女を討て、出来るならば折原を討っても構わん』
大妖にそう言われ、戦地に向かう事になる。
だが、結果は散々だった。
雪女は、折原の妖武具に封じられた。カラス天狗自身も、雪女を封じた弓により、痛手を被り尻尾を巻いて逃げた。
最高の屈辱。
最大の失態。
生き恥を晒してもなお、カラス天狗は不死城へと戻ったのだった。
だが、そんなカラス天狗を待っていたのは、戒めでは無く新たなる試練であった。
『良いな、カラス天狗』
「大恩ある我が主、不死城の地下に潜れと」
『何か、異存があるか?』
「いえ、御座いません……」
カラス天狗は、それに従うしか無い。
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