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 数時間前…。  私のずっと側にいてくれた、誰よりも信頼していて、私のことを一番に考えてくれていると思っていた人からの死の宣告。  私の生きる術を取り上げられ、生命までもその彼女に操られていたと知り、 「もう用済み」  と言われたら、もう私には何も残っていなかった。  唯一残っていたのは、彼女にすがり付いて、棄てないで!とは言わないくらいのプライドのみ。  私は彼女にとって、替えのきく人形でしか無かったのだ。  入院していた病院を抜け出し、そのまま街へと来たけれど、このままどこへ行けば良いのだろうか。  何もかも敏腕マネージャーの彼女に任せっきりだったので、切り捨てられた自分に行く当てなど無いのだ。  そう、もう彼女は私の代わりの人形を見つけて、そっちにご執心なのだから。
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