不夜の街

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「ちょっと、灰落ちる千晶」 「あ、悪いジョージ君、カウンターの中から灰皿を取ってくれ」 「あいよ」 車椅子じゃカウンターの中に入れないもんな、灰皿はカウンターの下に重ねて置いてある 灰皿も黒、小さくピンク色のRAG TIMEの文字、マッチもある 「ありがとう……アートマは幻獣に有効な武器、そう聞いた筈だが合ってるかな?」 「ちゃんと言ったわよ」 「わかってるよ、確認さ」 「そう聞いたよ、希少なのも聞いた……ウチにはどれくらい?」 煙が染みたのか片目を閉じ煙草をもみ消し、カウンターに灰皿を置くとコーヒーを、ブラックなんて良く飲めるな 「厳密には4つ、君らが使用可能なのは3つ……アートマには秘密がある……1つ、アートマを使用するにあたり自らの体の一部、もしくは五感のどれかをアートマに捧げる必要がある……部位はまったくのランダムで選ばれ平均15分使用可、連続使用はある事情から出来ない……使用限界を超えると生贄は戻らない……こうなる」 壱丸さんが膝掛けを外し、僅かに空気が重くなった 膝から下が本当に消えている つまり制限時間をオーバーしたから足が戻らなかったって事か?マジかぁ…… 「顔色が変わったな、辞める?」 「いや、俺ムリしないタイプだもん、10分絶ったら逃げてでも戦うのやめる」 「賢明だ……2つ……アートマを使用中はアートマ以外の攻撃を一切受け付けない、銃だろうがミサイルだろうが剣だろうが通さない……国が絡むのもわかるだろ」 「マジでか!!……1人で戦争……いや銀行強盗も……」 「国もアートマ持ってんだ、ムリに決まってんだろうが、バカかテメェ」 「将寅、口が悪いぞ」 そうだ、悪いぞ口も顔も頭も、死んでしまえゾッキーめ、近所迷惑だ しかしアートマ使った犯罪はアートマ持ってる奴しか止められない、となると市のやってる事は別に不自然でもないか? 「3つ……幻獣の攻撃はアートマ持ちにも通る……何故ならアートマとは幻獣の化晶した姿だからだ……だから幻獣はアートマでした殺せない……確定ではないが使用中は使用者も半幻獣化してるのかもしれない……生贄をアートマが取り込む事に因って」 「……幻獣が……アートマ……幻獣から作ってるって事か?」 「いや、自分の意志で変化してくれるんだ……つまり我々人間に味方する幻獣がいる……八重の様にね」
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