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バンっと音を立ててドアを開けるとすぐ目に飛び込んでくる黒髪。
俯せになっている男の肩は激しく上下していた。
「ーーー~~っ、クロ!!」
慌てて駆け寄って抱き起こすと、思った通りの高熱だった。
「おい!氷とタオル濡らして持って来い!」
は、はい!と外から聞こえるのを確認して、顔をクロに戻した。
「…はぁ、は…うっ……」
苦しそうに息を吐くクロをまじまじと見つめる。
……涙の、跡…
ほんの何時間か前まで一緒に居たのに。
寝てないみたいだったから、殆ど無理矢理寝かせて、それから…
「何があったの、クロ…っ」
嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちだった。
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