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「眼鏡でしょ、豊田くんが預かってくれてるわよ」 それはまた…あのホモ野郎。 ぺこりと頭を下げ、学食をあとにする。 俺が眼鏡をかけているのを知っていたのか。それを俺より先に引き取りに行くとは…。 なんだかそら恐ろしい。好きと言われたが、俺にとってはまったく接点のない未知の人物なんだぞ。 ぞわりと走った悪寒に、身震いしてから足を早める。 帰ろう。家に帰れば予備の眼鏡がある。 遊びながら掃除をしている生徒たちの横を、俺は急ぎ足で通りすぎた。
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