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今日から優樹たちが通う桜鞠(オウリ)高校は既にたくさんの生徒や保護者であふれかえっていた。
「うわ、すごい人だな。沙彩、大丈夫か?」
小柄なため人混みにのみ込まれかけている沙彩に手を貸し、自分の方に引き寄せる。
「ありがと、優樹。本当に男前なんだからっ」
貸された当の本人はへへっと笑い、嬉しそうに握っている手を前後に少し揺らした。
端から見たらただのラブラブカップルにしか見えない。
実際のところは女子同士なのだが…。
そんなとき放送特有の軽快な音がながれ、アナウンスが聞こえてきた。
『新入生のみなさんは体育館へ移動し、受付を行ってください。繰り返します……………』
「そろそろ入学式が始まるみたいだな。私らも行くか」
沙彩が頷くのを確認すると、人のながれにそって2人も歩きだした。
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