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年に数度開かれているお菓子の博覧会がある。
その期間中は世界中、日本中からいろいろなお菓子が集まり、たくさんの人が会場に訪れる。
彼もまたその一人だった。
『お前またお菓子なんて作ってんの?本当女みたい』
『てかいっそ女になっちゃえよ!』
『え?もう女じゃなかったの??』
彼らは笑いながら口々にそう言った。
「!………何で今こんなこと思い出すのかな」
ここは世界各国からの伝統的なお菓子が展示されているブース。
みんなそれらの展示を笑顔で見てまわっている。
その中に悲しい顔でため息をついている男の子が一人。
「もう、帰りたい…」
自分の小さめな背丈ほどのショーケースをぼんやりと見つめ小さく呟いた。
お母さん達が元気づけようと連れ出してくれたのに、それが今の僕には逆効果。
大好きなお菓子があんまり見えないよ…。
僕はそう思いながら、しょっぱい滴が溢れないように唇を噛みしめて上をむき続けていた。
そして、来るんじゃなかったなぁと後悔し、帰ろうと一歩踏み出したときだった。
「ねぇ、何で泣いてるの?」
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