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「じゃーん!これがもっと元気が出るものだよ」
走ったなんてなかったくらいに元気なその子は、両腕を広げ笑顔でそれを紹介してくれる。
比べて僕は、肩を上下に動かして息をしながら、その子が両腕を広げ示しているそれを見上げた。
その瞬間に息を呑んだ。
目線の先にあったのは、大きな輝く一輪の向日葵。
「あれ飴細工ってのでできてるんだって」
会場の光を受けて輝くそれは、太陽と何ら変わりもなかった。
「お菓子でこんなにすごいものが出来るんだ…」
この時目が奪われるってこういうことをいうんだって初めて思った。
「僕も作りたい。みんながこんなにも惹かれるお菓子…」
僕は無意識にぽつりと呟いていた。
「作ってよ。そしたら私も食べに行くから」
小さな呟きが聞こえたみたいで、ニッと笑ったその子から返事が返ってきた。
「うん、いつか食べてもらいたいな。あ、そういえば名前……」
「優樹ー!優樹どこだー?」
名前聞いてなかったよねって言おうとしたら他の声に遮られた。
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