「付き合ってますけど、何か?」

20/53
前へ
/371ページ
次へ
男の方はギリギリと歯を食いしばり、再び晴海くんを睨む。 「信じらんねぇ… 大体なんだよ…そんな図体で『ハルミちゃん』とかふざけた名前…」 そこで男が、急に絶句した。 ……? 「まさかお前…T大付属の岸本…晴海…?」 口元を抑え、絞り出された声。 「へ?」 驚きのあまり、晴海くんが裏声になった。 私は思わず悠里ちゃんと顔をみあわせる。 「いかにも俺はT大付属高出身で、名前は岸本晴海だけどよ。 何でお前…そんな事知って… ……… あっ!!」 何かを思い出したのか晴海くんが声をあげると、 「やべ…」 男がつぶやき、フロアの階段に向かって身体を翻した。
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3006人が本棚に入れています
本棚に追加