「付き合ってますけど、何か?」

21/53
前へ
/371ページ
次へ
「おっと、待て待て」 そこを、逃がさない、とばかりに晴海くんが肩をガシッと掴む。 そして、悠里ちゃんを振り返る。 「悠里、こいつの名前、なんてーの?」 「え?え?」 急に脈絡のない質問を振られて、悠里ちゃんは困惑気味だ。 「名前…え… 塚本、亮…だけど…」 「やっぱりそうか」 納得顏で大きく頷く晴海くん。 「おい、お前! 猛の弟だろ!なあ?」 晴海くんの鋭い声に、男…塚本は首を縮こませた。 「はい…」 すっかりしおらしくなって。 何これ、どういうこと? 「……えーと、晴海くん、 もし差し支えなければ、どういうことか説明してもらえる?」 私が恐る恐る発言すると、晴海くんは男の肩を掴んだままこちらを見た。 「あ、そーね。 悪い悪い」
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3006人が本棚に入れています
本棚に追加