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「おっと、待て待て」
そこを、逃がさない、とばかりに晴海くんが肩をガシッと掴む。
そして、悠里ちゃんを振り返る。
「悠里、こいつの名前、なんてーの?」
「え?え?」
急に脈絡のない質問を振られて、悠里ちゃんは困惑気味だ。
「名前…え…
塚本、亮…だけど…」
「やっぱりそうか」
納得顏で大きく頷く晴海くん。
「おい、お前!
猛の弟だろ!なあ?」
晴海くんの鋭い声に、男…塚本は首を縮こませた。
「はい…」
すっかりしおらしくなって。
何これ、どういうこと?
「……えーと、晴海くん、
もし差し支えなければ、どういうことか説明してもらえる?」
私が恐る恐る発言すると、晴海くんは男の肩を掴んだままこちらを見た。
「あ、そーね。
悪い悪い」
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