「付き合ってますけど、何か?」

23/53
前へ
/371ページ
次へ
「おい、塚本弟。 このこと兄貴に…」 「やめっ…やめてくれ! 兄貴に言うのだけは!」 怯えたように懇願する男。 さっきまでの勢いが嘘のよう。 よっぽどお兄さんの事を恐れているみたいだ。 「本当は俺だってさ、 チクるようなことして事態を収めたくないんだよ。 だけどなぁ、こればっかりは許さない。 …今後一切、悠里に近付くな。 もし、約束を違えるなら…分かってるよな?」 静かに怒りを湛える晴海くんの顔に、こくこくと男が頷いた。 お兄さんがどれだけ恐ろしいかは分からないけど、この分ならもう2度と悠里ちゃんを悩ませたりはしないだろう。
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3006人が本棚に入れています
本棚に追加