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「おい、塚本弟。
このこと兄貴に…」
「やめっ…やめてくれ!
兄貴に言うのだけは!」
怯えたように懇願する男。
さっきまでの勢いが嘘のよう。
よっぽどお兄さんの事を恐れているみたいだ。
「本当は俺だってさ、
チクるようなことして事態を収めたくないんだよ。
だけどなぁ、こればっかりは許さない。
…今後一切、悠里に近付くな。
もし、約束を違えるなら…分かってるよな?」
静かに怒りを湛える晴海くんの顔に、こくこくと男が頷いた。
お兄さんがどれだけ恐ろしいかは分からないけど、この分ならもう2度と悠里ちゃんを悩ませたりはしないだろう。
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