「付き合ってますけど、何か?」

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「実はさ、大学で怪我してラグビー辞めて以来、猛とは連絡とってないんだ。 あっちは何かと俺を心配してくれたのに、関わってんのが辛くてさ。 大学を休学してるうちに仲間はみんな卒業して、それっきり。 でもまあ塚本弟には、まだ仲がいいって思わせといた方が都合いいからな。 特にその話はしなかったけどさ」 マグカップを見下ろしながら、晴海くんが話しているのを黙って聞いていた。 悠里ちゃんもだけど、誰にでも明るく接する彼に、そのような置いてけぼりにした人間関係があるなんて知らなかった。 「そんなことより」 重苦しく沈んだ空気を吹き飛ばすように、晴海くんが殊更大きな声を出した。 「悠里、ごめんな?」 そう言って、隣に座る悠里ちゃんの顔を覗き込んだ。 「え? なんで謝るの? むしろ…」 「付き合ってるなんて、ウソ言っちまってさ」
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