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「………」
黙り込む悠里ちゃんに、晴海くんが苦笑いしながら話しかける。
「ほら、あの場ではさ、ああ言う方がアイツが諦めやすいと思って…兄貴の親友の彼女って言う方が諦めやすいだろ?フリーより。
だからウソも方便って言うか…」
言い淀みながら、晴海くんが顔を曇らせる。
悠里ちゃんが、俯いたからだ。
「悠里…?
怒ってる?」
「怒ってるよ…
ウソつくなんて…」
絞り出すような声。
「いやっあのっ…
ウソっていうか…」
大きな体をピンと伸ばし、焦り出した晴海くん。
しかしそこで、観念したように左右に首を振った。
「いや…
そうだよな、誤魔化すなんて男らしくないよな…」
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