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そう言って、座ったまま背筋を伸ばし、悠里ちゃんに向き直る。
「……俺の気持ちはウソじゃない。
悠里が、好きだ」
俯く悠里ちゃんの肩が、びくりと震えた。
わ…言った…。
思わず心の中で両手をぐっと握る。
「俺の彼女って言ったのは、完全に俺の願望。
そうなったらいいなって気持ちはウソじゃない。
ごめんな?急に変な事言い出して。
まあさ、アイツが言ってたとおり、俺みたいなのが悠里に似合うなんて到底思ってないよ。
そんなこと分かってる。
イケメンでもないし、いい歳してフラフラしてるしさ、こんなデカイ図体でチマチマとスイーツを…」
「ちょっと!!」
ここで晴海くんの言葉を遮ったのは、目に涙をいっぱいに浮かべた悠里ちゃんだった。
ギョッとする、私と晴海くん。
「さっきから黙って聞いてたら何!?
バカな事ばっかり言って!」
「ば、ばか…」
キッと涙目で睨まれ、晴海くんが狼狽える。
さっきの塚本弟に対してもそうだったけど、普段の悠里ちゃんからは想像も出来ないほど怒りを露わにしている。
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