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「マスターの言う通りかもしれません。
今はもう、ラグビーやってた頃の自分を思い出しても、悲しいとか悔しいとか思わなかった。
きっと『今』があるから…ですね。
でも、あいつ…猛には、本当にひどい態度とったんですよ、俺。
今思うと。
あいつは俺の為を思って色々世話焼こうとしてくれたのに、俺は勝手にうがった捉え方をして。
余計なことすんなって拒絶して。
一緒にいるだけで自分がしんどくて、離れちまった。
ラグビーから仲間まで、まるごと」
言いながら、うん、と頷く晴海くん。
「俺、あいつに電話してみます。
話して、ちゃんと謝る。
でないと、一生モヤモヤしたまま生きていくことになるし…」
ここで顔を上げ、ニッと笑う。
いつもの彼の笑顔だ。
「ついでに、弟によろしく伝えてくれって言っておきますよ。
バカ弟、慌てふためくだろうなぁ」
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