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そんな彼が、異動となると…
「どこに…?」
「関西支店の、営業部長」
華々しい昇進も、決して違和感はない。
ましてや…
「すごいじゃない、おめでとう。
それで、
………専務の娘さんと一緒に行くの?」
努めて皮肉に聞こえないように言ったつもりだが、それを聞いて、彼は目線を落とした。
言いにくいのかもしれない。
それはそうだろうけど、今日彼がここに来たのは、きっとその話…
そういう将来を見据えて、彼女を選んだのだから。
だからこそ、わざとそう話を振った。
自分で自分を傷つけることは分かっている。
だからこそ、何もかも話が早く終わるようにーーーー
「彼女とは、別れたんだ」
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