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それを聞いた汰本(たもと)がこう言った。
「佐東がなぜ悪い?俺の遊びの邪魔をしたのはお前じゃないかよ。なぁ、違うか、葉山~。」
言いながら葉山の足元をジロジロ見ていた。
「たし・・か・・・・に」
葉山が汰本に何かを言おうとしているが、小声で全く聞こえない。
「なんだよ、全然聞こえませんよ~。ハッハッハッハ(笑)」
葉山の小声に汰本はバカ笑いし、それが教室に響き渡る。
しかし、その笑い声より大きな声が突然響いた。
「たしかにっ・・・・確かに私があなたの邪魔をしたけれど、私は頼まれたの、佐東に。だから私は悪くない。私じゃなくて佐東をやつけましょう。」
その声の正体は葉山だった。
葉山は気が狂ったかのように激しく言い叫んだ。
でも俺らクラスのほぼ全員は、そんな葉山の無理な言い訳が汰本に通じるはずないと思っていた。
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