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円柱形の機械を中心に、円を描くように椅子は並べられていた。
そのうちの一つに僕は座っている、頭にはヘルメットのような物、そこから延びるコードは中心の機械━━高電圧放出機━━に繋がっている。
「誰が犠牲になるんだよ!」
2つとなりに座っているクラスメイトのシンジが怒鳴る、彼は焦っているのか足を揺らしている。
その顔には恐怖が浮かんでいるため、足を揺らしているのは貧乏揺すりというだけなのかもしれない。
「そんなの……決められるわけないよ」
僕の正面、つまり機械の向こうから学級委員長であるリナの声が聞こえてくる、全てを諦めたような、そんな声だ。
「あと一分」
僕らの思考を遮るようにアナウンスは流れる。
「お前が犠牲になれよ!」
シンジは僕を指して言った。
正直僕は生きていることがつまらないと感じ始めていた。
成績についてうるさい親や、仲違いした友人、中々進まないゲーム、一度つまらないと感じると何もかもがつまらなく感じるのだ。
「残り三十秒」
「早くしろよ!」
シンジのその一言で僕は手元のボタンを押した。
しかし、サイレンは2つなった。
「え…?」
辺りを見る、シンジは押すはずがない、他にも誰も押してる人はない、ただ一ヶ所、見えない僕の真正面を除いて。
「今回の犠牲者をお知らせ致します、尚この犠牲者により、残りの生存者は脱出が可能です」
生存者が脱出するにはあともう一つこの理不尽なゲームをやらなきゃいけないはずだ。
しかし、このアナウンスが意味しているのは…
「犠牲者が…二人?」
僕の疑問を無視してアナウンスは続く
「犠牲者は、ユウヤさんとリナさんです」
委員長と僕はほぼ同時に押した、そのせいで委員長も犠牲者になってしまった。
「…僕があと少し…あと一秒でも早く押してれば…!」
そう呟いた瞬間、バチッという音と共に目の前が真っ暗になり、意識はゆっくりと闇の底に吸い込まれて行った
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