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「んぅ…?」
眼が覚めると広間のような場所にいた。
周囲には9つの扉があり、それぞれ扉にA~Iまでのアルファベットが書かれている。
広間の中央には台座のような物がある。
その台座には紙が置かれている。
私は紙を広げ内容に目を通す。
『ようこそ山城リナ、随分と長い間生きていたみたいじゃないか。
丁度一年前のこと、君たちの同級生10人はこの施設で屍と化した。
そして今、新しい君の同級生達が屍に成ろうとしている。
それを止めるのは君だ。
今回君の命の保証をしよう。
必ず生きて帰す、そう約束する。
ただし、君の同級生達の命は保証しない。
誰を助け、誰を殺すかは君の判断に委ねられる。
それでは本題に入ろう。
今、君の周りにある九つの扉、その奥には同級生達がいる。
君はその扉の中から、開けたくない扉を一つ選ぶ、その選んだ扉の奥にいる同級生は例外無く、私が殺す。
ただし、どの扉の奥に誰がいるか、それは教えることはできない。
代わりに、扉の隣のボタンを押すことで扉の向こうの相手の声を聞くことができる。
扉の選び方は、中央の台座にそれぞれの扉の上に嵌め込まれた宝石を置く。
それで選択を完了とし、選んだ扉の向こうの人間を殺す。
それでは、健闘を祈る』
読み終わり私は絶句した。
またあの残酷で、非道なゲームをしなければいけない。
思い出すだけで吐き気のするあの場所に私は戻ってきてしまった。
「…今度こそ全員助けなきゃ!」
私はそう心に誓って、紙を破り捨てた。
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