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放課後、奏子は食料品を買おうと近所のスーパーに向かった。このスーパー、「近所」といっても歩いて15分はかかる。
「都会も不便なところあるんだなぁ」というのは初めの頃の感想。田舎ではスーパーは広く、けっこう身近にあった。
3カ月たった今ではすでに諦めている。
「暑い~」
入学から3カ月ということは現在、6月。にも関わらず、真夏日の日すらある。奏子にとって暑いのは大きな問題だ。汗はでる。しかし大学には化粧をしていかなければならない。汗じみやにおいにも注意が必要だ。女の子は大変手がかかるのである。
チャイムと共にスーパーに入る。
「今日は魚に野菜に卵かな」
マンションでは自炊生活を送っているため、バランスも考えなければならない。
「あ、あじがある」
魚が唯一取り柄の田舎から出てきただけあって、奏子は魚には詳しい。
「久しぶりにひらまさとか、あずき貝とか食べたい……」
順に見て回ってから、奏子は暑さの地獄に再び出た。
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