裏庭 ～もし、見つけちゃったら～

猫による出会いはeffotto

「その子達、返してもらえませんか」
後ろから声をかけるとしゃがみこんで俺の猫を撫でていた女は肩をおもしろいくらい揺らしてこちらを振り向いた。膝の上においていたこの近くのスーパーの袋がガサガサと音をたてて崩れ落ちる。
「その子達、俺の家の子なんです」
「えっ、あ、すみません」
そう言いながら立ち上がると即座に謝ってきた。もしかしたら、俺が怒っていると思ったのだろうか。顔が赤い。別に怒っているのではなく、走っていった猫達を追いかけて走ったからうまく声が出ないだけだ。
「すみませ……ん……」
ドサッ
「えっ」
立ち上がって謝ったかと思ったら、女はふらふらと揺れて、俺の目の前で傾き、倒れていった。