笑顔に逢いたくて

13/138
前へ
/138ページ
次へ
トントン! 検温に入って来たナースに起こされるマリカ 「先生!マリカ先生…おはようございます、風邪を引きますよ…マリカ先生」 「あっ!おはようございます。いつの間にか眠っちゃったわ。」 ウフフ… 「マリカ先生夜勤明けじゃなかったのですか?帰られなかったのですね?少し休まれないと体壊しますよ…」 「そうねえ?後少し研究室で調べものするから、武村君が目を覚ましたら知らせて下さい。お願いします。」 部屋を出て研究室へ… 目覚ましの温かいコーヒーを飲みながら調べものしていた。 しばらくして、少年が暴れていると呼び出しが掛かる。 急いで病室へ… 開かれたドアの外 様子を見ているマリカ 点滴を抜きベッドから降りる直人。 ナースの止めるのも聞かず…ヨロヨロ…今にも倒れそうに出て来た。 フラフラ…倒れそうになりマリカに寄り掛かかる。 「どうしたの、早く行きなさいよ!どうぞ…私は止めたりしないわ!自分を大事にしない人なんて大嫌い!」 手を離すマリカ しかし、自分の力で立っていられない直人が 座り込む。 立ち去ろうとするマリカ その時…精一杯の声を振り絞り叫んだ。 「先生 待って!俺…俺…金がないんだ…」 そう言ったとたん…倒れてしまった直人でした。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加