笑顔に逢いたくて

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嬉しそうにマリカを見つめる直人 「有り難う !先生…」 小さな声で 「マリ姉…知ってんだろう?俺の事…あの時の引ったくりだよ…俺は、ゴメン!でも、あれから悪い事は やってない… マリ姉に言われて…みんなで話し合ったんだ!そして、みんなでバイトを始めたんだ。俺は…親に捨てられたんだ!」 そう言って、リュックから手紙を出しマリカに渡す。 「読んでいいの?」 頷く直人 「夜遊びばかりするナオ、心配ばかり掛けて…父さんが船の事故で死んでしまったのよ。 連絡が取れず…やっと、新ちゃんから聞いたのです。 ナオが決心して鹿児島を出た事はよくわかりました。 頑張って欲しい!そう思います。 お爺さんもお婆さんも、突然の事なので大変ショックも大きく寝込んでしまいました。 二人の看病で毎日、忙しく ナオの事も気になりつつ捜しに行く事も出来ず… ごめんなさい…ナオも、もう少ししたら二十歳 でしょう…これからの人生、 自分の生き方をよく考えて仕事を見つけて下さいね。いつでも帰っておいで! 待っています。困った時は連絡下さい! 体に気を付けてね。母さんも頑張るから… 母より 手紙を読み終えた、マリカの目に涙が光る…
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