笑顔に逢いたくて

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入って来たマリカに、鏡を投げつけて来る光 壁に当たり割れる。 ガシャン! あっ!あぁ… 破片がマリカの肩に… 押さえる手の下、白衣に血がにじむ。 「こんな…こんな顔なら助けてくれなくてよかった!バケ者…バケ者だ!俺は… ちくしょう!! 化け物の顔なんて…イヤだー」 マリカには、どうしてやる事も出来なかった。 何を言われてもいい…受け止めてやらないと辛いのは本人だから… 「先生!俺の左目 、左目は 何処だ!何処へやった!こんな…こんな顔で生きていたくない! バケ者だ! なんで! なんでなんだ…こんな顔にして…」 泣き叫ぶ光 少年の傍 「光 、ごめんね…左目は ひどくて…右目が助かったのも 奇跡なの…命が助かっただけいいじゃない…お願い! 頑張って!運ばれて来た時、私の腕を掴んで助けてくれ!そう 叫んだのよ…生きたかったのでしょう? 手術にたくさんの先生と話し合って、やっと 、やっと助かったのよ!傷は整形で少しずつ消せるよ…ごめん… 右目が あるじゃないか?見えるじゃないの!だから…頑張って生きよう!」 「先生、一人にしてくれ…」 優しく慰めてやる事も出来ない… 現実を受け止めて頑張るしかないの…だから…頑張って欲しいと… どんな事にも力になってやりたいと思うマリカでした。 部屋を出て行く。
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