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鮨詰め状態の私たちは
チューブ越しの食事を
取り終えると、すぐに
出口に向かって移動を
開始した。
どこまでも白い塔の中、
幾度暗闇を乞い求めた
ことか。
私たちの視界はいつも
白一色だった。
白い石造りの床、白い
階段、白い壁、白い天
井、白い光──
ああ白に穢されて
ゆく……。
階段は永遠に続いて
いるかのようだった。
私たちが先を争って
降りてゆけども、真
っ白い円形の部屋は
一向に景色を変えず、
次第に私たちは苛立
たしい気持ちになっ
ていた。
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