新世界

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  急ぐ理由はなかった   が、ゆっくりしてい   ると惰性に捕らわれ   そうな気がしたのだ。   しかし行けども行け   ども先は見えて来な   い。   段々とこの洗い晒し   のような白さが忌々   しくなってくる。      しかしやがて私たちの   中から脱落者が出た。      それは時間の経過と共   に一人、また一人と多   くなり、階段を下る事   に座り込む者が現れる   始末だった。
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