とりあえず選択、洗濯

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レン「ジルー、部屋じゃなくて先にユイ達の様子を見たい。連れてってくれないか」 1人ではとうてい行けそうもないのでとりあえず言ってみた。 ジル「……」 無言で見られている。 これは、アルでなくても視線を逸らしたくなるわな。 こんなに真っ直ぐ見られてしまったら、自分の醜さを見抜かれている気分になる。 けど、今だけは自分からは引けない。 ジル「……少しだ」 珍しくジルが折れてくれた。 本当に優しい人だけど、俺のこの状態見て連れて行ってくれるとは思ってなかった。 それくらいには自分でも酷い状態だと認識はしている。 魔力が空になったことで全身に襲う倦怠感と鈍痛は無視できない。 最近ではこんなことめったに無かっ……た……な…………。 ジル「寝るな。……行かないのか」 レン「ん……行く……」 それまではちゃんと起きてないと。 ジル「……」 レン「おわっ」 急に肩に担がれた。 ジル「これのが早い」 まぁいいけど、この状態で走られるとちょっと気持ち悪い…… 振動が…… 上下する視界がブレて胃の中身がひっくり返りそうだ。 ジル「着いた。立て」 振動は一つのドアの前で止まる。 俺のメンツ、保たせてくれんのはさすがというかなんというか。 すごい気が利くよねー。 ジル「5分」 肩から降ろされて、少しふらつきながらも自分で立つ。 レン「ありがとな」 ジル「ん」 ドアノブに手をかけた。 .
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