1164人が本棚に入れています
本棚に追加
レン「帰ったー。みんなはどんなもん?」
ドアを開けて一番に目に入った母さんに尋ねる。
レイカ「眠っている方がいるのだから静になさい」
怒られてしまった(´・ω・`)
レイカ「ケイトくんは新しい水を汲みに行ってくれているわ。クレアさん、グラントさんはあちらでお話し中よ」
母さんが示す方を見れば、確かに話し中だった様子の2人が。
といっても、俺が入ってきた時点で視線は俺に集中していたけれど。
クレア「あの後どうなったの?あなたは大丈夫?」
村長「急に周囲の景色が変わったので驚きましたが……こちらが魔国と聞いてさらに驚きましたよ。話に聞いていた魔族とは全然違いましたし」
そりゃ、人間達はいろいろ良くない噂や根も葉もない噂ばっかり広めてくれてるからな。
レン「勝手にあなたがたの処遇を決めてしまい、申し訳ありませんでした。今は休まれている方々にも後ほど改めてお詫びいたします」
深々と頭を下げる。
アルは怒ってなかったと言っていたがケジメだ。
中には魔族への嫌悪感を持っている人だっているだろうに、本当に勝手だった。
村長「いいえ、いいえ、本当に良いのです。もう我々の村は土地も何もかも使えません。国の助けは期待できない。だからといって、他国に病人を連れて行くことも老人や女子どもでは適わない。危険も迫っていた。途方に暮れるしかできずにいた我々を助けてくれたのはあなたとあの子どもです。本当に感謝している。そんなあなた方に恩を返せるならどんなことでもしようと思います。彼らもきっとそう言うでしょう」
今は眠っている病人達の顔を一人一人見ながら村長は言った。
レン「そんな……俺達は別に」
クレア「ねぇ、あたしの質問は無視なの?」
……空気読めないヤツだなぁ。
レン「あの、ですね……」
言い掛けたところで視界が急に高くなる。
ジル「時間。予定があるので、失礼」
再びジルに担がれた俺は強制的に部屋を後にした。
.
最初のコメントを投稿しよう!