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フィリアス「立ち話もなんだし、お茶でも飲みながら話を聞きたいな」
おそらくプライベートルームと思われる、王城にしては狭めの部屋に案内された。
フィリアスがベルを鳴らすと、すぐさまティーポットとカップを持ったメイドが現れる。
一礼した若いメイドはカップに紅茶を注いで、最後にティーポットを卓の真ん中に置く。
フィリアス「ありがとう、下がっていいよ」
メイド「はっ、はい!」
頬を赤くしたメイドはパタパタと走り去っていった。
フィリアス「ふふ。かわいらしいね」
微笑ましく見送ってるように見えるが、腹ん中でこいつは何考えてやがる?
フィリアス「さて、では話を聞かせて欲しいな。どんな話でもいいよ。あ、そういえば私はキミ達のことを知ったのに、キミ達には私のことを教えていなかったね」
?
レン「……と、いいますと?」
フィリアス「キミ達の年齢とか魔力量とか、後は属性とか?カードを見たからね。不公平かな、と」
レン「はぁ、」
フィリアス「名前は先ほど教えたよね。この国では法皇もとい聖王をしているよ。聖王のほうが通りがいいのかな?みんなは聖王と呼ぶ。年は22歳で、属性は聖・嵐・水。魔力量は……測ったことないから分かんないな」
ユイ「せいおうさまはーすごいんだねー」
本当のこと言ってるかははなはだ疑問だがな。
魔力量測ったことないヤツが属性だけ調べてるなんてことはそんなにない。
フィリアス「そんなことないよ。そうそう、キミ達には、私のことはフィリーと呼んでもらいたいね。立場上、親しい人はなかなかつくれなくてねぇ」
俺ら、そんな間柄でもないしそんな間柄になる
予定もねぇよ?
誰が好き好んで洗脳かけたり、隠し事だらけだったりするヤツと仲良くなるってんだ。
フィリアス「私はね、生まれつき特殊体質なのかな?よく人には好かれるんだけど、友人という関係をつくるのは難しくて……。だから初めてなんだ。キミ達みたいに何を考えているのか分からない人に会うのは」
……うーん。
今の話は本当か?
俺達を騙すための嘘か?
ユイ『レン、どう思う?』
レン『俺の能力では分からない』
ユイ『能力に依存するな。そんな奴ら、これかれいくらだって会うぞ』
魔力量に上限なんてない。
レン『そうだな……』
あ、最高神にそんな能力あるか聞いたらいいのか!
全部聞いちゃうと面白くないからな。
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