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フィリアス「こんな運命ってあるものなのかな」
遠い目で呟いちゃってるね。
ユイ「運命って諦めんなよな。これつけてみれば」
フィリアス「え?ユエ君??」
俺が腕につけてた10分の1封印具 (感情が抑えきれなくなったときに暴走しないように) をフィリアスに渡しに行こうとしてイスから飛び降りたはいいが……
くそっ、フィリアスの前に着いてもテーブルに手が届かねぇ。
そーいや、イスに座るのもレンに抱っこしてもらったっけ。
ユイ「手、出せよ」
フィリアス「え?ユイ君???どう……した、の?」
なんだよ?
レン『あーあ、お前、今素でしゃべってんだろ』
はっ?
ユイ「おててだしてー(^-^;ニッコリ」
フィリアス「いやいや、今更遅いからね!?」
なんと、ツッコミ体質だったか。
レン『そんなん言ってる場合じゃないから』
言ってないけどな!
レン「えーと、弟は極度の人見知りでして?」
フィリアス「ごまかす気あるの?それ。まぁいいよ。誰にでも聞かれたくないことはあるし。それで、これは何なのかな?」
やっと受け取ってくれた……
腕疲れたし。
レン「魔力を10分の1にする封印具です。魔力を下げてしまえば能力の効果は薄くなると思ってお渡ししたのでしょう」
フィリアス「ふぅん。でもサイズが……あれ?丁度良い」
手首に通したフィリアスが驚きの声を上げる。
俺印の道具は伸縮自在素材使用です!
レン「いったん外してください」
フィリアス「え?うん、分かった」
レンの真剣な顔に押されて素直に外したフィリアス。
レン「能力の効果が薄れるのは良いとしましょう。しかし、あなたは苦しんでいたかもしれないが、この国はそのおかげで歪な均衡を保ってきたようなものでしょう?一気に抑えてしまって良いのですか?」
フィリアス「え……」
レン「あなたに向いていた心は様々な方向を向きます。言い方は悪いが、能力が無けなればあなたは王でなくなるかもしれない。そうしたら、動乱を抑えるだけの権力はありませんよね。封印具を外す以外には」
あー、そっか。
考えてみればそうなるよな。
フィリアスの能力のせいで、民衆は他のことを考えてないから平和……といえるのかは分かんないが争いは起きてなかったわけだし。
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