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レン「うまい」
ユイ「それは良かった」
レン「やっぱ頼んで正解だな」
ユイ「しゃべってないで早よ食え」
レン「母さんみたいなこと言うなよな。俺さ、お前の元の故郷の……ワショク?て好きだなー」
レン「はいはい」
はしゃいでるレンをよそ目に俺は生姜焼きを食べる。
俺が日本食を作る度に聞いてるぞ、それ。
レン「にしても、普通は王族が料理なんてしないよなー」
確かに、アルとジルが料理なんかしたら執事たちが卒倒しそうだな。
ユイ「俺は料理長に取り入ってたから」
珍しい食材を見つけたら今も料理長に送ってる。
レン「そーか。あ、明日の夕食は俺が作るよ。昼はここの食堂行ってみよーぜ」
ユイ「そうだな、行ってみるか」
そーいやほとんど自炊してるし、たまにはいいかも。
レンが楽しそうだからな。
レン「あー、……あ?」
笑っていたレンの動きがぴたりと止まる。
ドアの前……、誰かいる。
こちらの様子をうかがいながら。
ユイ『……どうする』
レン『どうもしないってのは?』
ユイ『それはねぇな』
俺らにバレていいって覚悟で魔力探査までしてくれちゃってるんだからな。
息を潜めていると、コンコンとノックの音がした。
レン『開けるよ?』
ユイ『いいぜ。敵ではない』
だって、感じる魔力は魔族特有のものだったから。
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