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レン「それで、ご用向きは……」
ここに来た目的をいつまでも言わないマルクスにじれたのか、レンは先を促した。
見ればレンの皿は全て空。
きっちり食べ終わっていた。
この世界はフォークやナイフが主流だが、レンは元来器用らしく和食を食べるときは箸を使って綺麗に食べる。
見てて気持ちいいな。
マルクス「ーーですので、お手伝いできることが多少あるかもしれないと不躾ながら押し掛けた次第でございます」
へー。
聞いてなかったから全然分からん(^ω^)
レン『マルクスさんはこの国の学園で学園長をしてるんだと。だから手続きとか手伝えるかもってさ。この国は国民だろうが滞在者だろうが子どもは学園に通わなきゃなんないそうだ』
ほうほう、
…………
…………
スパイって、そんな中枢にまで入り込まなきゃなんないもんなの?
学園長っつったらまぁまぁ国でも指折りの奴がなるもんじゃないの?
それこそ何年も教職で貢献なんかしたりさ。
それが、実年齢は社会人になって数年目ですーくらいの奴がやっていいの?
この国ってそんなバカばっかりなの?
レン『ちょっと黙ってろよ』
……黙ってるのに怒られた。゚(゚´Д`゚)゚。
そもそも俺、声に出して無いじゃん。
理不尽だー!!!
レン「……転校といいましても、我々はどこかに通っていたわけではありませんし」
無視ですか。
そうですか。
ここに非道な人がいますよー!
マルクス「ええ。どこの国でもたいていの貴族は12歳まで家庭教師を雇い、学園には通わないのものでございます。けれど、お二人は何か目的があってこの国にいらしたのでしょう?」
怖いぐらいよく分かってんじゃねぇか。
つか怖えぇよ。
まぁこの人の父さん達への忠誠心は相当なもんだし、信頼してもいっか。
レン『いいのか』
ユイ『いんじゃね。直感だけど』
レン『けど……』
心配性だなー。
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