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ユイ「便宜をはかってくれるってならやってもらおうぜ、レン」
マルクス「ええ、なんなりとお申し付けください」
ユイ「入学手続きって何があるんだ?」
マルクス「そうですね……。学力試験や技術試験などはもちろん、身体測定なども行います。また、奨学金制度を利用される方は適性試験も受けていただきますが、いかがなさいますか?」
んー。
アルとジルに学費出してもらうのも気が引けるしな。
つっても高額報酬の依頼受けたらすぐに溜まるだろうが……。
ユイ「それについてはもう少し検討するかな。俺とレンは同じ学年にはなれないんだよな?」
マルクス「はい。当校は飛び級制度を取り入れておりません。前例が無いだけですけどね?」
いたずらっぽく微笑むマルクス。
つまり、必要ならやってくれるということか。
レン「ナチュラルに会話してるけど、本性出してて良いのか?」
あー、うん。
だって、その人の過去やら何やらが分かっちまう人に対して俺の特殊性を今さら隠しても意味ないし。
マルクス「他言するようことは一切いたしませんので、ご安心ください」
レン「では、俺のことも……?」
マルクス「申し訳ありません。わたくしはまだまだ未熟で、他者の情報を読みとるところまではコントロールできないのです。誰に変体するかは選択できるのですが……」
レン「分かります」
苦労や苦悩があったことは、とレンは言った。
そうして二人は同時に目を伏せた。
能力者同士、感じるところがあったのだろう。
ユイ「七大貴族の子どもってどの学年?」
……ぜんっぜん空気なんか読んでやらないがなw
マルクス「彼らは現在12歳ですので、来月の新年度から学園に通うこととなります」
ユイ「あ、そうなんだ。そのくらいの飛び級って可能?」
マルクス「そうですね……。精霊の加護を受けていらっしゃるユイ様が人間の子どもに劣ることはありえませんので、試験の結果次第では特例を認めさせることができるでしょう」
中途半端にできる奴が飛び級しないためにも、ずば抜けてできなきゃなんないってことか。
そりゃそうだよな。
12歳を相手取って勉強も実技もしなきゃなんないんだから。
ふむ。
……無問題だ。
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