1164人が本棚に入れています
本棚に追加
はいはい、試験当日になりましたよ!
あれから特に何もなかったから割愛しようかなと思う!
飯食いに行って修行して飯作ってもらって食ったぐらいだわ。
何もしてねぇw
引きこもってたw
んで、今は学園の門前で迎えを待っている。
王族や貴族の子どもから孤児院の子どもまで通うこの学園は、校舎やら寮やら食堂やら日用品を購入できる店やら、果ては乗ってきた馬車の整備をする厩舎まであり、広大な土地に何でもかんでも詰め込んだみたいになってる。
俺は学園で“他国の貴族の息子がお忍びで滞在してる”という体で通すつもり。
そんなわけで、久しぶりに質の良い生地で仕立てた服に袖を通した。
レンも同様に質の良い生地で仕立てた執事服を着せてある。
普段は二人とも、動きやすい大量生産品で充分なんだよなー。
ジルだってお忍びで城下に出かけるときはそんな感じだし。
アルはさすがにあんま外にでれねぇけど、たぶん出るときは同じだと思う。
んー、話が逸れたな。
レン「遅くはありませんか?ユエ様」
誰に見られてるか分かんないから敬語のレン。
ギルド登録する時、名前てきとーに決めたけどやっぱてきとー過ぎたかな?
バレたりはしないとは思うけど……
スカーレット国はどことも国交なんてしてないし、情報売ってたヤツももういないはずだし。
うん、大丈夫だろ。
ユイ「あー、たぶん迎えの教師がダルい感じなんだろきっと」
少し遅れてくるぐらいで済めばいいなと思うよ。
?「急に入試を受けたいなんて言ったヤツはテメーらか。だりぃ」
ほらほら、来たじゃん。
灰色の髪に瞳、よれよれの服を着て左手をポケットにつっこみながらこちらに向かって歩いてくる男性。
ユイ「ええ、ぼくがユエです。こちらはシツジのレイです。きゅうにきまっちゃってごめんなさい。ほんじつは、よろしくおねがいします!」
マンガならぴょこん、という効果音がつきそうな感じで完璧に可愛らしく頭を下げる。
?「へぇ、黒髪ねぇ……」
一瞬、彼の眼が険をはらんだ気がした。
ダルそうなキャラはやっぱ作ってんのかな?
ユイ「どうかしましたか?」
?「いんや。来ちまったからには入れよ。はぐれんなよな、めんどいから」
そう言って背を向ける彼。
あれ、やっぱ素ですか?
彼を追いかけつつ考える。
なんか、かなり不満そう?
イライラしてる感じがする。
飛び級のことか?
.
最初のコメントを投稿しよう!