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問題を解ききってペンを置く。
ちょうど1時間経ったが、教師(たぶん)はまだ寝ている。
ユイ「あー疲れた」
たいして疲れてなんかいないけどな。
用紙を裏返して席を立つ。
ユイ「すみませーん。おわったんですが、どうしたらいいですかー?」
起きない。
ユイ「もしもーし」
肩をつんつんしてみる。
……起きない。
ユイ「おきてくださーい」
机に頬杖をついていた右手を払ってみた。
支えを失った頭は案の定落ちてあごを打ち付ける。
?「っ、痛ってぇな」
ユイ「テスト、おわりましたよ」
?「あ?なんだ、まだ1時間しか経ってねぇじゃねぇか」
ユイ「え?1じかんとおっしゃいましたよね?」
?「あー、待つの面倒だから1時間って言ったんだっけ」
なんじゃそりゃ。
?「分からなさすぎて諦めたか」
バカにしたような顔で見んのやめてくんない?
たかだか12歳用の問題だぜ?
ユイ「いえ、おわったのでさいてんをおねがいします」
表面上はにっこりと応対する。
そしたら教師(たぶん)はほんの少しだけ表情を変えた。
それがどんな類の変化だったか、俺には分からなかったが。
立ち上がった彼はダルそうにテスト用紙を引っくり返した。
いつの間にそこまで行ったし。
?「……正解。これも、……これも。これなんか、まるで学士に正答を書かせたような……。1時間だろ。4歳でこれって……お前、何者?」
ユイ「なんでしょうね?」
とぼけてみたりなんかしちゃったり?
ユイ「ところで、あなたのおなまえはなんですか?そろそろセリフのまえのひょうきを“?”からかえたいんですけど」
?「セリフ……?
自己紹介省いてたか。めんどくさいもんな。俺はネオ=ファン。ここの教師だ」
んで、風帝辺りっすかね!?
ユイ「わかりました、ネオせんせい。テストはいかがですか?」
ネオ「学力は文句なしの合格だ……。実技試験は闘技場で行う。着いて来い」
とりあえず第一関門突破!
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