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ども、俺は如月 結(きさらぎ ゆい)。
どこにも目立つ要素はないふつーの高校生だ。
髪も目も真っ黒で中肉中背ってやつ?
成績だって得意な数学以外は全て普通。
え、そんなやついたっけ?的な某バスケ漫画の奇跡の影もびっくりの存在感のおかげで平和にささやかな生活を送ってたんだ。
ーーヤツが現れるまでは。
登校しようとイヤホンを耳に突っ込んで通学路を歩いていると
?「あ、ユイー。僕たちと一緒に行こうよ」
ちっ。見つかったか……
舌打ちして思わず顔をしかめる。
道の向こうには、女三人にベタベタされながら健やか爽やかに手なんか上げているイケメン。
?のハーレム1「ちょっと、わざわざ優が声をかけているのにその態度はなんですの!」
お嬢様なツンデレ。
ハーレム2「そ、そうだよ!優は……(私だけ見てればいいのなんて言えない)//」
赤面する幼なじみ。
ハーレム3「だ…め」
ロリなクーデレ。
そして、このハーレムの中心にいるのが半年前に転校してきた木更津 優(きさらづ ゆう←づ、は誤字ではない)だ。
よくある異世界召喚小説のアレだ。
自前のサラサラな髪に色素の薄い瞳の超イケメン。
俺のこといきなり名前で呼び捨てにしたり、鈍感だったり中途半端な正義感振りかざす割にからきし弱かったり。
ハーレム形成までに俺は何回ケンカやらなんやらに巻き込まれたことか。
んで、おいしいとこは全部持ってかれんだぜ?
舌打ちくらいじゃ手ぬるいだろうが。
このままじゃ俺、コイツの異世界召喚に巻き込まれて死ぬじゃん。(存在感皆無な俺に友達なんているわけないから、ヒマ潰しにケータイ小説読んでたらはまった)
……とかは言わんよ。
読むのは好きだけど、自分で体験すんのはマジ勘弁。
つか、現実に起こるとか信じてるの頭痛い子じゃね?
お嬢「ちょっと、聞いてますの!?」
現実逃避してる間にツンデレお嬢が鬼の形相……
優がちょっと引いてるので指さしてみる。
お嬢「あっ、優……オホホホホ」
今更ごまかしても遅いっての(笑)
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